私は負けた。ついにDAZNと契約してしまったのだ。

 先日プロ野球が開幕した。私は小学生の頃にパワプロをしていた際、TSUYOSHIという横文字に惹かれ、西岡を好きになり、ロッテを応援するようになった。今思えば、本当にしょうもない理由だと思う。だがどのチームを好きになるかなんて、この程度の些細なきっかけで応援するようになる人も多いのではないだろうか。

 たまたま自分が親に連れていってもらった試合で誰々が活躍していたから、その選手を好きになり、その選手が所属しているチームが好きになる。

 多くの人はこういった経験をしたことがあるのではないかと思う。

 そんな私だが、この2月・3月と比較的暇な日々を過ごしており、自宅で過ごす日々にやや退屈していた。そこで自分には時間ができたときに「〜がしたい」と人に言えるような趣味もないことに気がつき、趣味探しを始めた。

 普段の大学生活ではサッカーサークルに所属しているが、サッカーは一人ではできないし、個人で参加するタイプのフットサル、通称個サルはどうも自分にはハードルが高いように思えてなかなか足を踏み出すことができなかった。そんなとき、プロ野球のキャンプが始まった。大学受験をきっかけに少しばかりプロ野球から離れていたため、最初は「あぁ、そういえばそんな時期だな」程度に捉えていたが、久しびりに興味が湧いたのか、気がつけば、キャンプの練習試合情報からオープン戦まで毎日千葉ロッテの情報を見るようになっていた。もはや中毒みたいなものである。

 そんな感じの日々を過ごしている中、3月30日プロ野球が開幕した。公式ホームページを見るとBS12チャンネルで開幕の試合を放送しているらしい。ちなみにマリーンズの先発ピッチャーは涌井、イーグルスは則本だそうだ。お互いヒットや四球などでランナーを出しながらも粘りのピッチングでスコアボードに0を刻んでいく試合となった。そんな緊張感溢れる試合だったが、5回裏についに均衡が破れる。1番荻野が1アウトからレフトへのヒットで出塁し、2番打者藤岡の打席で盗塁を成功させる。藤岡はきっちり進塁打を放ち、2アウトランナー3塁とな理、迎えるは3番中村奨吾だ。昨年は確か交流戦の巨人との試合までヒットが一本も出ず、打率0割を記録していたが、一本が出てからは順調に成績を伸ばしていき、まずまずの成績を残した。キャンプでも期待されており、今年の飛躍が期待される選手だ。そんな中村が、前2打席では結果を残せていなかったものの、この打席では挽回の一打を放った。センターへのタイムリースリーベースである。センターへのタイムリーツーベースになるかなと思ったが、井口監督の走塁改革のもと、三塁打にして見せたのだ。正直、このチーム全体で走りに徹底した姿勢に私はワクワクさせられた。多少のリスクを背負ってでも、次の塁を陥れようとするその姿勢は、今年のマリーンズは今までとは違うんだぞという監督、チームの意気込みを示すには十分であり、今年のロッテは一味違って面白いと感じたものだ。

 そんな感じで先制したロッテだったが、9時半になり、突如としてBS12の放送が終わってしまった。その後、逆転され、9回に追いつき、12回に突き放され逆転負けをしたのだが、負けるところをテレビで見ることなく終われたのはもしかしたら運がよかったのかもしれない。だが、私は今年のロッテの一味違う姿にとても面白さを感じ、期待をすることにした。そんな期待の意味も込めて、今年はDAZNと契約して、暇な限りは応援してみようと思う。

 趣味として月額980円払えば、全試合放送してくれるDAZN。プロ野球だけではなく、サッカーの試合も放送してくれるらしいので、今年の1年間はDAZNと共に過ごしていこう、そんなことを思った4月1日だった。